作成日: 2009年5月12日 | |
作成者:(株)エスアイヤ | 代表取締役 河野俊之 CTO 木戸間 周平 チーフシステムエンジニア 江上 新一 |
最終更新日: 2009年5月12日 |
最終回となる今回は、ColdFusionの設定をつかさどるColdFusion Administratorについて、ColdFusion 8で新たに追加された機能を中心に解説します。
ColdFusionの様々な設定は、ColdFusion Administratorにて行われます。ColdFusion Administratorは、ColdFusionの管理用に標準で用意されたウェブアプリケーションです。例えば、DBと連携したアプリケーションの場合、まずColdFusion Administratorでデータソースの設定を行う必要があります。このようにColdFusionを利用したアプリケーション開発では、たびたびColdFusion Administratorを開く必要が出てくるでしょう。それほどColdFusionでの開発において重要な機能が提供されています。これまでいくつかの機能を解説してきましたが、それらの機能の多くもColdFusion Administratorで細かな挙動の変更、機能の有効・無効といったことが可能となっています。
ColdFusion Administratorでは大まかに言って、下記のような設定をブラウザ上で行えるようになっています。
・サーバーの設定
・データとサービス
・デバッグとロギング
・サーバーモニタリング
・拡張機能
・イベントゲートウェイ
・セキュリティ
・パッケージとデプロイ
ColdFusion Administratorというウェブアプリケーションにより、ウェブブラウザ上で簡単に変更できるこれらの設定項目ですが、設定を変更することでサーバー全体の挙動やパフォーマンスに大きく影響を及ぼすということを念頭において操作してください。
ColdFusion 8では、これまでColdFusionサーバーごとに設定していたマッピングやカスタムタグのパス指定をアプリケーションごとに行えるようになりました、ColdFusion Administratorのサーバー設定メニュー内にアプリケーションごとの設定を有効にするための項目が追加されています。また、この変更により管理画面での管理のみではなく、Application.cfcファイルに個別のColdFusionマッピングの設定やカスタムタグのパスを指定することができるようになっています。今まで、単一のColdFusionサーバーで複数のアプリケーションをホストしているような環境では、ColdFusionマッピングやカスタムタグを使用する際に、名前が重複しないように命名規則等に頼らなくてはならなかったのですが、ColdFusion 8ではこれらの管理が容易になっています。
他にもColdFusion 8で追加された機能にサーバーモニタというものがあります、サーバーモニタはこれまでのColdFusion Administratorとは大きく異なる機能です。サーバーモニタを起動すると別ウィンドウでColdFusionの稼動状況などが確認できるようになっています。パフォーマンスのボトルネックになっているロジックや、現在のメモリ使用量、1秒あたりのリクエスト数など、開発時だけではなく運用を行う上でも役立つ情報をグラフィカルに把握することができます。また、マルチサーバーモニタを使うことで、複数のColdFusionインスタンスの状況もサーバーモニタ同様にグラフィカルに監視することができます。
ColdFusion Administratorで行える設定にはセキュリティに関係するものもいくつかあります。そのなかでもForm、URL、CGI、Cookieなどのスコープ変数をクロスサイトスクリプティング攻撃から保護する機能などは、言語が備える機能としては非常にユニークなものといえます。ColdFusionでは今回解説した内容の他にも様々な設定をColdFusion Administratorで行うようになっています。他の言語ではiniファイルなどの設定ファイルを使って変更するような内容でも、ColdFusionではブラウザを使い、簡単に変更することができます。簡単に設定を変える事はできますが、どの機能もとても重要な機能であり、アプリケーションの挙動に大きく影響を及ぼす設定内容であるということには注意が必要です。
また、ColdFusion Administrator では、ColdFusionのバージョンの違い、またスタンダード版、エンタープライズ版などのエディションの違いによって使える機能が異なる点にも注意してください。各バージョン、エディションによる機能の違いについては、以下のColdFusionの製品情報ページに詳しく出ています。
Adobe ColdFusion 8 : 製品エディション
http://www.adobe.com/jp/products/coldfusion/editions/
今回紹介した機能の他にもColdFusion Administratorでは様々な機能が提供されています。ColdFusion 8プロフェッショナルガイドのChapter 9ではこれらColdFusion Administraotorの機能を詳細に説明していますので、こちらも是非ご覧いただければと思います。
これまでの連載でColdFusionの機能をいくつか解説してきましたが、一貫して言えることはColdFusionでは、どの機能も容易に利用できるようになっているということです。しかし、容易に利用できるからといって、貧弱なものではなく、とても充実した機能が備わっていることをご理解頂けたかと思います。
ColdFusionはウェブアプリケーションの開発が初めての方はもとより、既に他の言語で開発を行っている方々にもお薦めできるウェブアプリケーションサーバーです。
みなさんも、ぜひColdFusionで、シンプルかつリッチなウェブアプリケーション開発を体験してみてください!
※以下のAdobeのサイトから無償体験版 / デベロッパー版のColdFusion8がダウンロードできます(無償体験版は30日の試用期間が過ぎても、デベロッパー版として開発用途で使い続けることが可能です)。
Adobe ColdFusion 8 Trialsのダウンロード
http://www.adobe.com/go/trycoldfusion_jp